オフショアマガジン

2019年8月15日号

東京湾・走水沖のブランド・アジを本格ビシ釣りで!!

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「ブランド魚」をご存じだろうか。“大間マグロ”、“氷見ブリ”、“若狭グジ”、“関サバ”、“呼子イカ”…と全国的に知られた「ブランド魚」が数ある中で、古くから食通を唸らせてきた知る人ぞ知るのが“走水アジ”。あの釣り味と食味がふと恋しくなり、神奈川県・横須賀、走水港『広川丸』に出掛けた。

走水港はアクセス良好!

海岸通りに面した船宿

走水港は、横浜横須賀道路の終点、馬堀海岸ICを降りて突き当たりを右折すれば「よこすか海岸通り」でここから僅か5分。早朝は気持ちよく空いている海辺のワインディングロードだが、くれぐれも安全運転を。釣り座の指定は先着順なので、『広川丸』の看板を掲げた店先にクーラーを置いて順番を取ってから車を駐車場へ。駐車場は店の前にあるコンビニエンスストアの裏手にあるのだが、そこへ到る小道は「走水神社」の“のぼり”が通りに出ているので目印になる。集合時間の午前5時30分より前に受け付けがスタートすることもあるので、早めに店へ戻るのがお薦めだ。受け付けは置かれたクーラーの順番で、釣り座の選択、乗船料と駐車場代の支払い、乗船名簿の記入、氷の受け取りという段取り。氷は店先に置いた自分のクーラーへ入れて置けば、船長が船着場までトラックで運んでくれる。ちなみに船宿の前にあるコンビニは6時開店。受け付けを済ませてから朝食を買いに行っても決して遅くはない。

店先にクーラーを置いて、車を駐車場へ
船宿の駐車場はコンビニの裏手にある
船宿へ戻って受け付け

出船前の支度は、焦らずのんびりと…

受け付けが済んだら車を港へ移動するのだが、港の入り口にはゲートがあって「一日5,000円」の張り紙があるので尻込みするかも知れないが、緑のボタンを押せばゲートは開き、船釣りの乗客は帰りに出口用のカードを渡されるので心配ご無用。船着場の近くに船長がクーラーを運んでくれているので、その近くに駐車しよう。この時点で出船まで1時間はある筈だ。冷房を効かせた車内で朝ご飯を食べるも良し、潮風を受けながら朝のコーヒーブレイクも良し。やがて船着場に「第八広川丸」が着岸するが、釣り座のセッティングを船宿スタッフがやってくれるので、乗船の案内があるまで焦らず待つ。車から荷物を降ろすのも乗船が始まってからで充分だ。こうして出船前の準備はのんびりかつ滞りなく整い、定刻よりちょっと早めの出船。港内にて時間調整となった。

乗船は釣り座の準備が出来てから
船長らが快適な釣り座を組んでくれる
慌てずとも定刻より早めの出船に

イカリを降ろして、静かな夏の海を満喫

港から10分程で水深45m前後の釣り場に到着。船長がイカリを降ろし、船の姿勢が安定するのをしばし待つ。この時、天候によっては船に慣れた人でも足元がフラつくほど船が揺れることもあるが、やがて落ち着くので心配ない。やがて船長から「どーぞー!下から2、3mでーす!」の合図で、この日の釣りはスタートした。コマセが効き始めるまで、しばらく静かな時間が流れたが、船がエンジンを切ると東京湾はこんなに静かなのかと驚く筈だ。それもつかの間、船中1番手の魚を手にしたのは『広川丸』20年来の常連・安井さん(横浜市)。いきなり30cm超えの良型だが、走水エリアでは40cm超えの大アジが上がるのも珍しくないことを書き加えて置こう。続いて船中2番手の田中さん(横浜市)は「船長が良い人なので」と『広川丸』の魅力を語った。3番手は吉岡さん親子。5歳の娘さんは2回目の船釣り。アンドンビシの着底後、リールを6回巻く“タナ取り”できちんとアジ釣りに参加していた。そして次はもう誰だか分からない好調な釣れっぷり。黒っぽくて細長い“回遊性のアジ”と、体高が高く目の小さい走水に居着いた“瀬付きのアジ”。サイズも大・中・小と釣れてくるのが面白い。それぞれ食味が異なるので、それは帰った後のお楽しみ。

1匹目からこの良型、期待は高まる!
走水らしく体高の高いマアジと田中さん
釣りガール(5歳)も大健闘!
【動画】ゴールデンな大型狙い!大アジ釣り

大物狙いの本格ビシアジ釣り

『広川丸』で行われている「ビシアジ釣り」について、ご存じない方のためにざっくりご説明しよう。ビシアジ釣りに欠かせないのが“コマセ”を入れる“コマセカゴ”と鉛のオモリが一体化した「アンドンビシ」。走水沖では深場の釣りや潮の流れが速い時に150号も使われるが、今の時期は一般的な130号が用いられる。仕掛けが道糸に絡まないためのテンビンとのセットが無料で貸し出されているので、それを借りるのがお薦めだ。釣り方は、コマセカゴにイワシミンチを8分目まで詰め、ハリには“付け餌”の赤タン(イカを粒状に切り赤く染めた物)を付けて投入する。アンドンビシが海底に着いたら糸の出を止めて、道糸がピンと張るまでリールを巻く。この時、海面の道糸を見ながら目盛り3つ分(3m)巻き、竿を振ってコマセを撒く。後は手で竿を持っても竿掛けに付けても良いのでアタリを待つ。アタリがあったら、リールを数m手で巻いてから電動リールのスイッチON、海面にアンドンビシが出たら巻くのを止め、竿を立ててコマセ桶にアンドンビシを取り込む。続いて仕掛けを手繰って、魚をタモで掬う。この一連の動作や、巧く釣るためのコツは船長や船宿スタッフが教えてくれるので、この釣りが初めてなら絶対に教えて貰った方が良い。教わった通りに釣れば、恐らく中級者レベルの釣り人よりたくさん釣れることだろう。

桶が“コマセ”で、お椀が“付け餌”
大物仕様、3号ハリスの船宿仕掛け
仕掛け図

“ビギナーにも安心の船宿”を目指して

『広川丸』には、ベテラン釣り師も多いのだが、船中の半分は貸し竿のビギナー。この傾向について、安田隆史船長に訊いた。「初めての方は特になんですが、オマツリってのはわざとじゃないから、そのへんは気にしなくて良いよって声を掛けるようにしています。喧々囂々としちゃうとやっぱりつまらないですよね」と船長。船宿としては快適に釣りが出来るよう、潮の速い日には乗船人数を減らしたり、初めての人には潮の緩やかな潮回りの日を薦めているとのこと。更に、イカリを打っているため船長が操船に手を取られてしまうことなく、オマツリ解きやタモ入れなど釣り人へのケアに力を入れているそうだ。この日も船長と娘さん、上乗りさんの3人体制で釣り人をサポート。こうした初心者を大事にする心掛けが、『広川丸』にビギナーを呼んでいるようだ。

親切でフレンドリーな安田船長
希望者には道具の使い方からレクチャー
氷水のおしぼり配布など熱中症対策も万全

走水のアジ、ベストシーズンは始まったばかり!

この日の釣果は、午前船の竿頭が32匹、午後船は21匹。サイズは25~38cmと中型主体に35cm前後の大型も相当数交じった。暑い盛りなので、釣れた魚は桶で血抜きなどせず、予めクーラーに氷海水を作って置き、釣れたらすぐに氷締めにするのが美味しく持ち帰るコツ。釣ったその日は、アジフライやなめろうに。内臓とエラを取って冷蔵庫で一晩寝かすと、身に旨みと脂が回って刺し身や様々な調理に合う身質になるので是非お試しを。魚釣りが「鮒に始まって鮒に終わる」ならば、船釣りは「アジに始まってアジに終わる」ほど基本にして奥深いビシアジ釣り。ビギナーからベテランまで存分に楽しめる『広川丸』で、走水アジの別格な釣り味と食味を存分にお楽しみ頂きたい。

瀬付きのアジ釣りを存分に楽しんで笑顔
釣った魚はすぐにクーラーへ
ビシ竿を絞り込むファイトは走水ならでは
重くなったクーラーは船長が運んでくれる
電動リール付きの貸し竿完備!
本格的なビシ釣りを誰もが味わえる船宿

釣りビジョンAPC・川添法臣

今回利用した釣り船

神奈川県 走水港 『広川丸』
〒239-0811 神奈川県横須賀市走水2-867
TEL:080-9889-4477
定休日:第2・4火曜日
釣果・施設情報 広川丸 ホームページ

出船データ

ビシアジ乗合
集合時間:午前船 船宿へ午前5時30分~6時頃まで/午後船 走水港で午後12時頃
出船時間:午前船 午前7時20分/午後船 午後12時50分
乗船料金:6,000円(女性高校生5,000円/中学生4,000円/小学生3,000円)
※親子の乗船で小学生以下の子どもと竿1本で一緒に釣る場合、子どもの乗船料は無料

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※料金等は取材当時のものとなります。出船時間や料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては釣り船までお問い合わせください。