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東京湾のマダイ、竿頭19匹!!"キャスラバ"絶好釣!

2019年09月15日公開

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「東京湾のマダイが浅場でバクバクらしい」そう聞いて、貴方はどんな光景を想像するだろうか。「魚がバクバク口を使って爆釣」か、それとも「心臓がバクバクするほどスリリングな大釣り」なのか──その真相を突き止めるべく、東京都江戸川区・東葛西のタイラバ乗合船『東京湾探釣隊ぼっち』に出掛けた。

午前5時30分、駐車場に集合

『東京湾探釣隊ぼっち』の集合場所は、「新川東樋門(ひもん)」の近くにある駐車場。カーナビは「江戸川区東葛西1丁目48-11」と設定。初めての際は「ぼっち釣果ブログ」に写真付きの分かり易い案内があるので要チェックだ。集合時間前にバイクで船長登場。一同で船着場へと向かう。旧江戸川沿いの遊歩道を歩くこと3分。土手を越えると「ぼっち丸」の係留場所に着く。予約順に釣り座を選択し、船上で乗船名簿の記入と乗船料の支払いを済ませる。パーツは多いがタックルはシンプルなタイラバの釣り。出船準備は滞りなく整い、定刻よりちょっと早めの出船となった。

釣れた人の釣り方を手がかりに

やや風のあったこの日。旧江戸川を下って、波気のある東京湾を走ること1時間20分程で大貫沖へ到着。水深22mの釣り場からスタートした。この日は風を利用して船を横方向に流す"ドテラ流し(横流し)"の釣り。乗船の全員が右舷に並んでタイラバの釣りを楽しんだ。船中最初に魚を掛けたのは、タイラバは3回目のチャレンジの黒木さん(市川市)。マゴチに続いてホウボウと着実に魚を上げた。この後もマゴチは上がるものの苦戦が続く中、"本命"マダイを掛けたのは常連の藤田さん(江東区)。この魚こそ、スピニングタックルで浅場を広く探る"キャスラバ"こと「キャスティングタイラバ」での釣果。ヘッドの重さ、スカートやネクタイの色やタイプを船中で共有する。そこから一気に釣果を伸ばしたのは常連のイチローさん。朱色の玉形ヘッドと透け感のあるグリーンにラメ入りのネクタイと、チャートリュース(黄緑色)とライムグリーンのまばらなシリコンスカート。この組み合わせがこの日の魚にマッチして、他の追随を許さない連続ヒット。船中の釣り人たちも自分のタイラバに何かしら"緑"を織り込み、釣果の歯車は次第に回り始めた。

 

キャスティングタイラバとは?

マダイを釣るルアーの一種「タイラバ」は、本来船縁から真下に落として、海底に着いたらリールを10数巻きして、再び沈める、という釣り方。これを水深の浅い釣り場で投げて(キャスト)、リールを巻いてタイラバを泳がせてくる事によって広い範囲を探る釣りが「キャスティングタイラバ」と呼ばれ、投げやすさとドラグ性能の良さからスピニングタックルが主流となっている。このタックルについて、「専用タックルは勿論なんですけど、一つテンヤの竿でも、無ければボートシーバスの竿でもイイ。竿先にアタリ出す釣りじゃ無いから」と笹倉鉄士船長。意外に聞こえるかも知れないが、スピニングタックルは投げ易いことを優先していて、バットの強い2.1m位が船長のお薦め。ノリの良さ(魚を弾かないハリ掛かりの良さ)はリールのドラグを緩めに設定することで確保する。リールと竿先からルアーまでの糸が一直線になるように構えて巻くと、ハリを咥えた魚はドラグを滑らせながらオートマチックにハリに掛かる仕組みだ。言葉では伝わりにくいかも知れないが、船上で船長や常連さんたちの釣りを見ていると良く分かるので、初めての際には釣れている人の釣りを良~く観察してみるのも一手だ。また、膨大な数の種類や色のあるタイラバのどれを買ったら良いか迷ったら、釣行の間近に船長へ電話して尋ねるか、タックル一式とタイラバをセットで借りる「レンタルタックル・タイラバセット」がお薦め。また、当日「あれがない、これがあれば」と言う時も、船内販売があるので気軽に船長に声を掛けてみよう。

タイラバの隠れた魅力"ゲストフィッシュ"

「タイラバ」と呼ばれるように、この釣りの本命対象魚は、マダイなのだが、それ以外にも様々な魚が釣れる。この日に多く釣れたマゴチとホウボウ。どちらもおろし方を覚えると様々な料理が楽しめる魚だ。同じく底周辺で釣れてくるヒラメも嬉しい"ゲスト"。また、このところ良く釣れているショゴはカンパチの若魚。刺し身で美味しい魚だ。そして見逃してならないのがアジ。この日釣った海域には美味しい個体が多いので、釣れたらキープして大事に持ち帰って欲しい。最後にエソ。これは小骨が多く下拵えに手が掛かる魚というレッテルを貼られているが、このところ急激に普及率の上がっている"フードプロセッサー"や"ハンドブレンダー(ミキサー)"を使えば、お吸い物や薩摩揚げが思いのほかお手軽に出来るのでお試し頂きたい。上品な味わいにきっと驚く筈だ。

カラーチェンジで連続バイトが止まらない!

緑色のネクタイが功を奏したこの日。サバフグもこの色がお気に入りらしく、一度目を付けられるとボロボロになるまで囓られてしまう。更に空が曇ったからか、流石にスレた(見飽きた)のか、マダイの反応も落ち着きつつあった。そこで船長が見つけ出したパターンが"透け感のあるグリーンパンプキンのラメ入り"と"コーラカラー(スカッパノン)"のようなくすんだ反対色相の組み合わせ。このカラーが再び大爆発。基本色で頑張っていたが数の伸びないアングラーも、この色にした途端釣れ始めるほどの偏愛ぶり。投げて、落として、巻き上げていると必ずアタリがあり、タモ入れのために置き竿にしている間にもアタリが出る程の高反応で、ダブルヒット、トリプルヒットの一幕も何度か。こうして高活性なマダイがハイペースで釣れ続け、心地よい疲れと共に沖上がりの時間を迎えた。

竿頭19匹、船中5人で55匹の快挙!
かくして、この日の釣果はマダイが船中5人で55匹とみなさん大健闘。竿頭は怒濤の追い上げを見せたイチローさん、リリース含め19匹。この他に多彩な"ゲストフィッシュ"も上げているのでみなさんクーラー満載、笑顔での帰路となった。笹倉船長が手の怪我を手術するため「ぼっち丸」は10月初旬までお休みするそうだが、最盛期迄には復帰の見込みとのことで一安心。これから冬に向けて浅場での荒食いが始まり、味覚も向上する東京湾のマダイ。これからタイラバを始めよう、沖釣りにチャレンジしようと思う方には絶好のシーズンに突入する。乗船8人を上限と定めているので、船長の目が行き届きビギナーにも最適。東京湾の豊穣と、タイラバの面白さを実感できる『東京湾探釣隊ぼっち』で"食欲の秋"と"スポーツフィッシングの秋"を満喫して頂きたい。

今回利用した釣り船

東京都 東葛西 『東京湾探釣隊ぼっち』
〒132-0013 東京都江戸川区江戸川3-57
TEL:080-5655-9024
定休日:なし 釣果・施設情報 東京湾探釣隊ぼっち ホームページ

出船データ

タイラバ乗合
乗船料金:1万3,000円(氷付き)
駐車場:500円(1日)
貸し竿:2,000円(タイラバ別)/3,500円(タイラバヘッド×1&ネクタイ×2組付き)
集合時間:午前5:30(予約時に確認を)
出船時間:午前6:00
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込むツリキチ。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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