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神奈川県・久比里発、アマダイ“五目”釣り、大物シーズン突入!

2020年01月15日公開

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厳冬期に面白くなる釣り物の一つにアマダイがある。しかも、今期は例年に無く連日グッドサイズが上がって釣果情報を賑わせている。50cmアップとの出逢いを夢見て、横須賀市・久比里『山下丸』に出掛けた。

JR、京急とも久里浜駅から徒歩6分

『山下丸』の乗船場所は、JR横須賀線・久里浜駅の目の前を流れる平作川に沿って国道134号線を南下した左手に架かる「夫婦橋」の袂にある。かつては中州と両岸に二つの橋が架かっていたことからこの名が付いた夫婦橋。車なら横浜横須賀道路・佐原ICから10分程。カーナビには「神奈川県横須賀市久比里2-6-10」と入力すると分かり易い。JR横須賀線と京浜急行の久里浜駅、どちらからも歩いても6分程で、途中コンビニエンスストアもありアクセス良好。釣り人が集中する週末は6時過ぎには駐車場が一杯になることもあるので、電車釣行の方がのんびり楽チンかも知れない。受け付け棟で乗船料の支払いと乗船カードの記入を済ませ、船宿仕掛けを購入する。仕掛けは船でも買えるが、フグの猛攻で激しく消耗する事もあるので余裕を持って準備しておきたい。受け付け時に渡されるゴム紐付きの番号札を持って乗船。アマダイ船の「第25山下丸」は受け付け棟の対岸に係留されていた。釣り座は先着順なので、船縁に竿を挿すなりクーラーを置くなりして席を取り、船長が来たら指示に従って釣り座の間隔を調整する。船長が配る餌と引き換えに番号札を渡して出船前準備は完了、滞りなく出船となった。

1投目から“本命”アマダイが!

風波の立つ海を走ること50分程で剣崎沖に到着。水深104m、砂泥底の釣り場からスタートした。開始からわずか5分、船中最初の魚を取り込んだのは坂口さん(横須賀市)。「小さいです…」と謙遜なさっていたが、1投目から“本命”アマダイが上がり、船中の期待は高まった。定番“ゲスト”のレンコダイやトラギスも沢山上がったが、その合間あいまにアマダイが取り込まれ、しかも次第にサイズアップしていくという嬉しい展開。風が強まり、仕掛けを安定させるのが難しい海況ではあったが、皆さんの粘り強い釣りが実を結び、釣果は確実に伸びて行った。

 

“ゲスト・フィッシュ”は美味しい魚ばかり!

アマダイ釣りの楽しみに、アマダイ以外に釣れてくる“ゲスト・フィッシュ”がある。この日も相当数が釣れたレンコダイ(キダイ)は鯛飯や酢締めがお勧め。近頃天ぷらダネとして注目を集めているクラカケトラギスやオキトラギスなどのトラギス類。小さくてもハタ科ならではの旨みで煮物や刺し身にしても美味しいアカボラ(ヒメコダイ)。この日は1.48kg級も飛び出したオニカサゴは、捨てるところの無い美味の塊。繊細な身質と後味の良い脂質で刺し身の旨さはトップクラスのカイワリは、釣り味も抜群。釣れると海へ放してしまう人が多いが、味噌汁や煮物が美味しいカナガシラ。小骨は多いがフードプロセッサーを使えば美味しいつみれ汁になるヒメ(トンビギス)。冬場は臭みが少なく美味しく食べられるウマヅラハギ。アマダイとのファイト中、少し上のタナで食ってくるサバたちも相当数上がった。どれもがこの時期美味しい魚たちで「あの魚はどう食べよう、あの魚はこうしよう」とあれこれ考えるのも楽しい。

船長に訊く“アマダイ釣り”のコツ

アマダイ釣りの決め手を尼野智和船長に訊いた。「この時期は潮が流れなくなって来ましたから、根気が必要になってくる釣りになりますね。集中力を切らさないで、アタリはなくても餌は小まめに回収してチェックすることですね」とのこと。“餌盗り”に遭ったり、極々小さな“ゲストフィッシュ”がハリに着いていると、仕掛けが海中にあってもアマダイが口を使うチャンスは遠退いてしまう。狙う水深が深めで仕掛けの上げ下げに時間は掛かるものの、アタリの間が開いた時こそ、電動リールの機動性を活かして餌のチェックをするよう心掛けたい。また、道糸は細いほど感度は上がるものの、オマツリすると高切れするリスクが高まるため、船長はPE3号前後を薦めている。さらにオモリは80号で統一されているので厳守しよう。また、土曜、日曜、祝日は予約制なので事前連絡をくれぐれもお忘れ無く。

冬本番、いよいよ大物のチャンス!

水深100mの釣り場を何カ所か廻り、上げ潮の見込まれる水深80m前後のエリアへと大きくサイドチェンジした船長。この読みは見事的中、各釣り座でアマダイが竿を曲げ、良型もあちらこちらで取り込まれた。かくして船中ボウズ(釣果0)なし、竿頭はアマダイ5匹を釣った梶原さん(横浜市)。今期は9月から20回以上アマダイ釣りに出ているという常連さんだ。釣果情報には「アマダイ1~5匹」と書かれたこの日、数字だけ見ると難しい釣り物に見えるかも知れないが、皆さんアマダイ以外にも様々な魚を釣っているのでクーラーの中身はたいへん賑やか。大満足の帰港となった。海水温が下がって安定するこれからがアマダイの大物シーズン。防寒着をしっかり着込んで、見目も食味も麗しい“冬の女王”の魅力を是非お楽しみ頂きたい。

今回利用した釣り船

神奈川県 久比里港 『山下丸』
〒239-0828 神奈川県横須賀市久比里1-3-3
TEL:046-842-8856
定休日:第2・4・5水曜日(定休日が祝日の場合、変更して営業) 釣果・施設情報 山下丸 ホームページ

出船データ

アマダイ乗合
集合時間:午前7時に受け付け終了
出船時間:午前7時30分
乗合船料金:8,700円(エサ付き)
※氷150円/ライフジャケット貸し出し無料
     
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この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込むツリキチ。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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