釣りビジョン

茨城県・日立沖の“一つテンヤ・マダイ”が、春爛漫・大満開!

2020年04月01日公開

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東京では、例年より12日も早く開花したソメイヨシノ。と、なると気になるのは、薄紅色の魚体に花弁を散らしたような模様が美しい「桜鯛」。食味豊かな産卵前のマダイを花に例えた春の風物を求めて、茨城県・日立久慈港『弘漁丸』に出掛けた。

“第3”ではなく“大さん”「弘漁丸」

日立久慈港へは、カーナビに「久慈町漁協(茨城県日立市久慈町1丁目1-1)」と入力。都心から2時間弱。道幅も広く走り易い常磐自動車道・日立南太田ICから僅か10分とアクセス良好で、走行距離の割に近く感じられる。集合時間は船着場に午前5時。船着場に荷物を降ろし、港入口付近の駐車場へと車を移動。船長が船の準備をしている間に乗船名簿を記入し、女将が受け付けを開いたら乗船料の支払いを済ませる。続いてクジ引きをして、若い番号を引いた釣り人から好みの釣り座を選択する。かくして滞りなく準備は整い、「大さん弘漁丸」は5時半ちょっと前に出船した。

1投目からアタリ活発!

穏やかな海を走ること30分程で日立沖の釣り場に到着。パラシュートアンカーが投入され、船長の「用意出来た人からやっていいですよ。水深36m!」のアナウンスでスタートしたこの日の釣り。1投目から竿を曲げたのは野口さん(千葉市)。SLJ(スーパーライトジギング)の45gに口を使ったのは1kg弱の元気なマダイ。この後も釣り座を問わずあちこちでアタリがあり、魚影の濃さが見て取れた。また、船長からもアナウンスがあったのだが「たまに巻き上げる」「底だけでなく、2mより上のタナも探ってみる」と明らかに釣れるサイズが大きくなるのは印象的だった。極めつけは上乗り(“客席乗務員”)の茂木さんが底から10m上のタナで食わせた2.3kgのマダイ。この魚がこの日の最大サイズとなったのだが、実は底から5~7mにアタリの多いレンジがあり、小泉大輔船長はこの傾向を竿入れ時から把握していた。釣れるサイズが奮わない、数が伸びないことに疑問を感じたら、頑張り過ぎず船長や上乗りさんに相談や質問をしてみるのが得策と言えるだろう。

 

キッズにもお勧め、日立沖マダイ!

この日、船上を和ませたMVPは廣瀬さん親子(筑西市)。2.2kgの良型をはじめ、快調にマダイやハナダイ、ウマヅラハギと様々な釣果を上げていた。お子さんは4月から小学校に通う“ピカピカの1年生”。重めのテンヤを使っても根掛かりはほぼ無く、底だけの釣りをしていても充分な釣果が望める日立沖のテンヤマダイは入門者にも最適。「慣れない人でも色々釣れて楽しいと思います。そんなに難しいことはないんで、小学校低学年でも出来ると思います」と船長も太鼓判。船上では船長と上乗りの2人体制。釣り人に分からないこと、困ったことがあってもスタッフが適宜対応できる態勢が整っているので、沖釣りデビューをお考えなら安心して釣り物候補に加えて頂きたい。

美味しい“ゲスト・フィッシュ”たち
テンヤ・マダイの楽しみのひとつに、マダイ以外に釣れてくる“ゲスト・フィッシュ”がある。この日もテンヤを底に置いていると相当数釣れるハナダイ。この時期は匂いも少なく、肝臓も詰まって美味しいウマヅラハギ。同じく“餌盗り”の代表、ショウサイフグ。カサゴやマゾイ、アイナメなどの根魚は、釣って帰ってからしっかり下処理して、冷蔵庫で3日以上寝かせるとぐんと旨みが増す。またホウボウの親戚・カナガシラは、さばき方がイメージしにくく持ち帰らない釣り人も多いが、実は非常に美味しい魚。刺し身やアクアパッツアでお試し頂きたい。このほかヒラメやホウボウ、マハタにオキメバルにマトウダイと、テンヤで釣れて来るのはどれもが美味しい魚たちなので「あの魚はどう食べよう、この魚はあぁしよう」とあれこれ考えながら帰る車中もまた楽しいものだ。




【動画】親子で楽しい!ひとつテンヤゲーム

船長に訊く「テンヤ・マダイのコツ」

テンヤ・マダイのコツについて「大さん弘漁丸」小泉大輔船長に訊いた。「テンヤは餌付けですね。あとは、アタリがあったら待ってないで合わせることです」とのこと。基本にして鉄則のこの2点、文面では説明しきれないので、船上で船長や上乗りさんに尋ねてみて頂きたい。ちなみに私は“一つテンヤ・マダイ”10年目の頃、初めて「弘漁丸」に乗船して、以来ここで教わった餌の付け方に全海域で切り替えた。第3月曜日以外は1年中マダイを追いかけている大輔船長と上乗りの茂木さんが持つノウハウは圧巻なので、ご興味をお持ちの方は是非乗船時に受講頂きたい。なお、船長も上乗りさんもお客さん自身の釣りを尊重している(釣り方を強制しない)ので、分からないことは釣り人から積極的に声を掛けてアドバイスを請うのがお薦めだ。

今期も魚影濃く“桜鯛”大満開!
水深36~40mと釣り易い浅場を攻略したこの日。アタリも多く、着底前のヒットも多かった。竿頭は14匹を釣った野口さん。釣り人10人中全員がマダイをGET。5人がツ抜け(釣果10匹以上)達成と好釣果に驚かされたが「昨日来てくれればこの3倍は釣れたんですよ」(船長)との衝撃発言。沖上がり後は温かいお蕎麦やうどんが振る舞われ、船上では“おしぼり”を配布したり、釣り人の多い週末は大船長と2隻出しにするなど、快適な釣りへの細やかな気配りを感じる『弘漁丸』。船宿記録の10.32kgを塗り替えると「スパリゾートハワイアンズ」ご招待などお楽しみ企画も盛りだくさん。ビギナーには勿論、腕に覚えのある釣り師にも安心してお薦めできる船宿だ。

今回利用した釣り船

茨城県 日立久慈港 『弘漁丸』
〒319-1222 茨城県日立市久慈町1-28-26
TEL:0294-52-3504
定休日:第3月曜日 釣果・施設情報 弘漁丸 ホームページ

出船データ

テンヤ・マダイ乗合
集合時間:午前5時
出船時間:午前5時30分ごろ
乗合船料金:1万1,000円(餌1パック・昼食・氷付き)
※女性・小学生以下2,000円引き
貸し竿(500円)・ライフジャケット無料貸し出しあり
     
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