釣りビジョン

東京湾の“湾フグ”がアツい! アカメ(ヒガンフグ)、ショウサイ、トラの揃い踏み!

2021年01月04日公開

02_main.jpg

今シーズンの東京湾の“湾フグ”は、秋からアカメフグ(標準和名ヒガンフグ)の釣果が良くなり、冬のシーズンに入り大型も交じり出した。何と言ってもこの時期、鍋の高級食材として人気が高い。釣ったフグなら贅沢に楽しめる。今回はシーズンによって様々なフグ釣りを提供してくれる神奈川県・鶴見『新明丸』に出掛けた。

【この記事を書いたライター】山口 充

アクセス

電車でのアクセスが良く、JR京浜東北線・鶴見駅から徒歩7分、京浜急行・京急鶴見駅から徒歩5分の場所にある。車の場合は、首都高速神奈川1号横羽線、横浜方向からだと「生麦出口」から第一京浜国道15号を東京方面へ約10分で船宿がある潮見橋。東京方面からだと首都高速神奈川1号横羽線「汐入出口」から産業道路/県道6号を進み潮見橋へ。

タックル

最近フグ用の竿が各種発売されているが仕掛けの「カットウ」が10号前後なので、それに合わせた穂先のモノを選ぶ。千葉県・外房方面の竿は25~30号の仕様になっていて別物と考えてよい。所謂「湾フグ」仕様のモノが必要。リールは小型両軸リールで道糸はPE1.5号前後。合わせ切れ等が起こるので余り細いモノはお勧め出来ない。仕掛けのカットウはエビの胴を剥いて付ける「シングルフック」のモノと、最近、細かく切って喰わせる「チラシバリ」系のモノがある。カットウバリも様々なモノが販売されているので釣具店で聞いてみるのも良いだろう。また、カットウの上に食わせの胴付き仕掛けを組み合わせる人もいる。

 

フグ船は“拘りのアングラー”が集結

午前5時半に受け付け開始。この日は今季一番の寒気が入り冷え込んでいた。そんな季節ならではの朝焼けは、この時期ならではの風景。綺麗に太陽が昇って来る。次々に釣り人が到着。フグ船、そしてスミイカ船共に盛況。フグ船は平日にも関わらず10人が集まった。受け付けを終えて船に乗ると、カットウに付けるエビを解凍。この時期、気温も低いので早めに解凍して置いた方が良い。釣り人達は、通常のカットウ用に身の部分を剥いたり、チラシバリ用にカットしたりと直ぐに仕掛けを投入出来る様に支度を開始。左舷ミヨシ(船首)に釣り座を構えた笛木さんは、元某ルアーメーカーの方。色々とお話を聞いて見ると「やっぱりこの時期は鍋ですからね。前回あまり良くなかったので今日は期待しています」との事。仕掛けを見せて頂くと「チラシ仕様」でカットウの上部に食わせの仕掛けも付けていた。オモリのセレクトも拘りが有り、少しのカラーの違いも見逃さない流石元業界人。左舷大ドモ(船尾)の下地さんも様々なオモリやアイディアを入れた仕掛けを組んでいた。

ポイントは航程30分程の沖から

午前7時30分、林 大地船長の操船で出船。ポイントまでは約30分程だ。「今期のヒガンフグは秋頃に凄く釣果が良かったです。この時期はポイントを変えながら深い所にも行ったりします。トラフグが前日出ましたよ」と船長、楽しみだ。水深約15m。綺麗な富士山をバックに沖のポイントでスタート。暫くすると左舷で直井さんにヒット。アカメフグ(ヒガンフグ)が上がる。アタリは有る様であとはタイミング。船長に聞くと「アタリ自体が出た時は合わせるタイミングが遅い事も多いです。3秒に1回は軽く合わせる感じが良いですね」とのこと。船中ポツリポツリとアカメフグ(ヒガンフグ)がヒットし始めた。見ていると「モゾモゾ」という感触が穂先に出ているが掛からないパターンも多く、ショウサイフグに比べると大柄なフグだが伝わる感触は小さい。この部分がショウサイフグとの合わせのタイミングの違いだ。今回2回目と言う中尾さんは合わせが決まり、ナイスファイト。上がって来たのはホウボウ。この時期は脂も乗って美味しい高級魚。マダコも数杯上がる。すると「大きい」と言う声。特大サイズのアカメフグ(ヒガンフグ)が上がる。釣り上げた岩本さんは嬉しそう。カットウは、身の部分を1本付けたスタンダードな物を使用していた。

【動画】穂先に全集中!アカメフグ釣り

トラフグ登場

船長が細かくポイントを探り、ポツリポツリとアカメフグ(ヒガンフグ)が上がる。「毎週通って教えて頂きました」とオリジナル仕掛けの下地さん。カットウバリの部分にも替えバリが出来る様に浅場用の根掛り対策がされていた。誘いの柔らかく「聞く」操作から合わせが決まり、アカメフグ(ヒガンフグ)を上げると、立て続けにショウサイフグがヒット。カットウはチラシバリ。今日はショウサイフグがあちらこちらで上がり、しかも良型ばかり。笛木さんもペースアップして良型アカメフグ(ヒガンフグ)、ショウサイフグを上げ始めた。面白いのはショウサイフグが多かった人はチラシのカットウを使っていた事。釣り座や釣り方の違いは有る物の興味深い。後半、船長がタモを準備。またまた岩本さんが大型アカメフグ(ヒガンフグ)をキャッチ。暫くすると笛木さんがトラフグを上げる。西風が予想以上に吹き、午後2時45分に納竿。ホウボウも多く、イナダやマダコ等賑やかな展開となった。釣ったフグは、帰港してから綺麗に“身欠き”にして貰い皆さん大満足。この時期、アカメ(ヒガンフグ)、ショウサイ、トラ、3種類のフグが上がっている東京湾のフグ釣り。釣り味、食味は最高。是非楽しんで頂きたい。

今回利用した釣り船

神奈川県鶴見 『新明丸』
〒230-0051 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央5-13-24
TEL:090-3519-1111
定休日:毎週木曜日※祝祭日を除く 釣果・施設情報 新明丸 ホームページ

出船データ

フグ乗合
料金:9,500円(餌別)
時間:午前7時30分/午後3時頃納竿
女性・中学生以下は、すべての乗合船にて乗船代が半額
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

山口 充
プロアングラーとしてテレビ出演、企画、撮影、雑誌執筆やカメラマンをこなしながら「旅と釣り」をテーマに日本中を釣り歩く。公益財団法人日本釣振興会神奈川県支部長・普及振興委員会。2016年JGFA・MVPアングラーズアワード受賞。伝統の和竿「横浜竿」を使い、2020年IGFAタチウオ世界記録を獲得。
このライターの他の記事も読む

その他オススメ記事

釣りビジョン倶楽部