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千葉県・外房、片貝発のイサキ、良型主体で好調スタート!!

2021年04月28日公開

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千葉県・外房のイサキ釣りが4月1日からスタートした。開始早々、型も良く好調に釣れているとの情報で、千葉県は九十九里浜の中央、片貝港『勇幸丸』から出船した。

集合は片貝旧港の船着場に

「勇幸丸」の停泊する片貝旧港は、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)・東金ICから20分ほど。1度行けば難しくも何ともないのだが、初めての際はカーナビに「若葉屋食堂」(千葉県山武郡九十九里町小関2347-13)を入力すると目的地付近の公衆電話ボックスが港入口の目印になるだろう。「勇幸丸」は岸壁に横付けされているので、その付近に車を停め、船長や女将が到着したら、釣り座を確認して荷物を積み込む。船縁に手が届くほど近くに車を停められるので、荷物の積み降ろしは非常に楽チン。岸壁の照明付近に置かれた乗船名簿に記入を済ませ、氷を受け取って乗船すれば、各釣り座に付け餌とコマセ、魚桶が置かれていて準備万端。午前4時15分過ぎ、「第二勇幸丸」は夜明け前の海へと出船した。

竿入れからアタリ好調!

ややウネリの残る海を走ること1時間ちょっとで太東沖に到着。仕掛けの準備はこのタイミングからで充分だ。船長から基本的な釣り方がアナウンスされるので聴き逃さないよう注意したい。やがて魚群探知機で魚を捜していた船長から投入合図。水深24mの釣り場で22mから19mのレンジを探るよう指示ダナがアナウンスされた。最初に魚を上げたのは右舷ミヨシ(船首)の松山さん。2番手はもう誰だか分からないほど、あちらこちらの釣り座で竿が曲がった。バリバリ釣れるような派手さはないものの、取り込まれる魚は概ね35cm前後の良型揃いで、ウリンボと呼ばれる20cm未満の個体は皆無。ゆったりだが着実に魚桶は充たされて行った。

 

美味しい“ゲストフィッシュ”の面々

この釣りで出会う釣果情報に載らない魚たちを紹介しよう。これから初夏に掛けて旬を迎えるハナダイは、酢締めや塩焼き、鯛飯は勿論のこと、カルパッチョには最適の食材。漁礁や沈船周りで良く釣れるメバルは、定番の煮付けや唐揚げ、塩焼きがお薦め。良型が釣れたら是非“焼き霜造り”もお試し頂きたい。関東では何故か餌盗り、邪魔者として扱われるウマヅラハギだが、実は釣り味も食味も一級品。決め手は下処理で、釣って直ぐ頭のトゲの後ろに包丁を入れて頭を落としながら皮を剥ぎ、身欠きの状態でジッパー付きビニール袋に入れて持ち帰れば匂いも持ち帰り後の処理も問題ナシ。これから美味しくなるゴマサバやショゴ(カンパチの若魚)などの“青物”は鮮度が命。船宿で配られる氷をアイスピックで砕き、クーラーの中に沖の海水を注いで氷水を予め作っておけば、釣れた魚をクーラーに入れるだけで「氷締め」に出来る。魚桶で血抜きをした個体とどちらの食味が好みか、機会があれば是非食べ比べて頂きたい。

船長に訊くイサキ釣りのコツ

市東吉雄船長にイサキ釣りのコツを訊いた。「指示ダナをしっかり探ることですね。なるべく狭い範囲で指示するようにはしますんで、そのへんを丁寧にやって頂ければ」とのこと。例えば「22mから19m」という指示ダナがアナウンスされた場合、仕掛けの長さなど難しいことは考えず、道糸のマーカーを見て22mまでプラビシを沈め、コマセを少しずつ(←これも重要)撒きながら仕掛けを徐々に上げていき、19mくらいまで上げたら一旦回収してコマセを詰め直し、再び投入する。このルーチンで魚が口を使う水深をいち早く見出すのが決め手となる。この際、気を付けなくてはならないのが投入時に道糸を止める位置で、指示ダナより下(例の指示ダナだと22m以深)までビシを沈めるのは厳禁。コマセが指示ダナより下で撒かれると、魚が沈んでしまい、船中全員の釣りが乱れてしまう。道具の扱いに馴れていない方は水深19mで一旦糸を止め、手で道糸を引き出して22mに揃えるなど、ちょっとした工夫でクリア出来るはずだ。正確なタナ取りは沈船周りや漁礁周辺などでの根掛かり防止や、アタリダナ(魚が口を使う水深)を見極める際の基本となるので、慌てず丁寧に行うことが効率的な釣りに繋がることを覚えて置きたい。

【動画】タナをとらえて!イサキ五目釣り

安定の好釣果、最盛期はまだまだこれから!

太東沖から片貝沖の水深20m前後と45m前後を釣った取材日。竿頭は40匹と規定数(50匹)には達しなかったものの、良型揃いでクーラーは満タン。みなさん笑顔での沖上がりとなった。「解禁当初から反応もありますし、例年より期待出来るかな」と船長も太鼓判を押す外房のイサキ釣り。抱卵する直前のイサキは美味しさも折り紙付き。定番の塩焼きや刺し身は勿論のこと、この時期美味しくなるアサリと一緒にアクアパッツァにしたり、早くも夏日が記録される今年は外房名物「水なます」にしても乙な味。煮付けに、ムニエルに、ホイル焼きにと幅広い料理が楽しめるのもイサキの魅力。精緻なタナ取りで楽しむ数釣りの釣り味と、旬を先取りする初物の美味。2021年の初夏は外房のイサキ釣りをゆったりとご堪能頂きたい。

今回利用した釣り船

千葉県片貝港 『勇幸丸』
〒299-3201 千葉県大網白里市北今泉3404
TEL:0475-77-2594
定休日:第2・4金曜日 釣果・施設情報

出船データ

イサキ乗合(予約制)
乗船料金:1万1,000円(餌・コマセ・氷付き)
集合時間:午前4:00までに船着場へ
(竿入れ時間により変動アリ、予約時に確認を)
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込むツリキチ。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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