釣りビジョン

東京湾の「ビシ・アジ釣り」大型アジ、サバのチャンス到来!

2021年05月17日公開

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「コマセ釣り」の基本ともいえる東京湾の「ビシ・アジ釣り」を、神奈川県・久比里の『巳之助丸』で楽しんだ。全般に型が良く40cm級の大型も上がり、良型サバも交じるのも魅力的だ。基本を覚えればファミリーでも十分に楽しめる。

【この記事を書いたライター】山口 充

アクセス

電車での釣行なら、京浜急行・久里浜駅、又はJR横須賀線・久里浜駅から徒歩圏内と非常にアクセスが良く途中でコンビニ等も有るので便利。車でのアクセスも横浜横須賀道路・佐原ICを降りて左折「佐原交差点」を右折。しばらく直進して京浜急行のガード下を通過後、国道134号線を左折。のち夫婦橋交差点を左折すると夫婦橋の袂にある。佐原ICから途中、駐車場の広いコンビニが数軒あるのでそこで買い物を済ませると良い。

タックル

私もこの釣りが大好きでコマセ釣りを始めて経験したのも「ビシ・アジ釣り」。当時は竿は使わず「手ビシ」という渋糸を使った釣りだった。近年は電動リールの小型化、タックルの軽量化が進んでいる。竿は「ビシ竿」と言う名前が浸透している程独特な物で、長さは1.6~1.8mと短く、調子は7対3が基準。これは寄せ餌のイワシミンチのコマセを細かく撒くのに適した調子。私が持ち込んだのは6対4調子のビシ竿。これは潮が速く、コマセが出過ぎる場合に置き竿にして待てるタイプ。コマセを詰めるコマセカゴ「アンドンビシ」の重さは130号。目の細かさ、容量違いなど沢山あるので狙い方によって選べる。中型電動リールに道糸はPE4号前後の組み合わせ。仕掛け廻りは、片テンビンアーム長さ25~30cm。ゴムクッション1.5m、20~30cmを使用。仕掛けは全長2m前後で2、3本バリが良い。ハリスはフロロカーボン2号前後で、サバが欲しい場合は3号も用意した方が無難だ。

 

ビギナーでも安心

船宿には、アルコール消毒スプレーが用意されていて、「マスク着用」オブジェが可愛い。今回は常連さんの津田さん、梅田さんと友人で船釣りは数十年降りと言う山本さんに色々とお話を伺いながら楽しんだ。電動リール付きの貸し竿、仕掛け廻りも船宿に有るので、初めての方やファミリー、ビギナー、友人を誘う場合でも安心。釣り座のセットは、コマセのバケツを左舷の場合は竿の左、右舷なら右側にセットしよう。基本的にはミヨシ(船首)方向から風が来るので逆にしてしまうと仕掛けが竿や道糸に絡んでしまう事も有るので注意。海上にゴミを飛ばさない為にもゴミ袋もセットすると良い。仕掛け等は怪我防止の観点からハリは落として置きたい。スナップなどは再使用可能なので持ち帰るようにしよう。

浅場の“中アジ”からスタート

臼井功一船長の操船で午前7時に出船。平作川を下り久里浜港へ。スパンカーが上げられ久里浜沖水深30m前後のポイントへ。航程は約20分の近場だ。船長の合図が出てスタート。タナは底から3m。底に着いたら1、2m上げて竿を細かく振りコマセを出す。更に1m上げて竿を振りコマセを出して待つ。ベテランは50cm刻みのイメージで探る場合も有る。アミコマセの釣りと違い、ミンチコマセの“煙幕”を作り、その中に仕掛けを入れる感じだ。暫くしてコマセが効くと梅田さん、山本さんにヒット。綺麗な金色の“中アジ”が上がって来た。ミヨシの津田さんにも“中アジ”。サイズは25~30cmの美味しそうなサイズ。活性が上がるとダブルもあり楽しそう。久し振りの山本さんも「良かった!」と嬉しそう。基本的にはライトに比べて重いビシではあるが「タナ」が確りと取れてキープ出来るメリットが有る。釣れるタナの幅が狭く重要なので1分してアタリが無かったら、タナを取り直してみたい。コマセの容量が多いので2、3回は可能。アタリが少なくなると船長がポイントを移動して再スタート。すると再び“中アジ”連発。好調が頷ける展開となった。

【動画】ギガサイズ交じり!ビシアジ釣り

“大アジ”も絶好調

ポイントを移動して水深80mへ。ここが久比里ビシアジ釣りの面白い所。浅瀬から深場迄が1度に楽しめてしまう。開始して暫くするとコマセが効き始めてアタリが出始める。竿に伝わる引きが大きく「良い型じゃないかな」と梅田さん。深場からの引きを十分に味わって上げたのは40cm級の“大アジ”。引きも強くダブルの場合、取り込みが大変。口の弱さは“中アジ”と変わらないので、タモを使った方が無難だ。
私も竿を出した。まずは広い目のビシを使いコマセの出方を見る。魚の活性が上がっているので、容量は普通サイズ。ビシが着底してタナを取り、1.5mで数回、2.5mで数回竿を細かく振りアタリを待つ。アタリが無いのでコマセと仕掛けの位置がずれている可能性が有る。50cm位誘い上げるとヒット。コマセの煙幕の中に仕掛けを入れるイメージだ。良い引きとともに上がって来たのは“大アジ”。確りとハリ掛りしていて無事キャッチ。これは付け餌の効能があり、イカの赤タン、“人工餌”を細かく切り使った場合は非常にハリ掛りが良く、青イソメに反応する場合は口の弱い部分にヒットする率が多い。これも重いビシ、深いポイントならではで、掛かりの浅い魚はアタリだけになる事が多い。重い130号ビシの“向こう合わせ”で上がる魚はフッキングが確りしている傾向が有る。津田さんも時にはウイリーの様に誘い連続ヒット。後半、大・中サイズのアジが次々に上がった。あえてタナを少し上げると嬉しい“ゲスト”の大きなサバもヒット。最後までアタリが有り、午後2時沖上がりの時間となった。
釣果は28~41匹。サイズも40cmが交じる好釣果。「今年は良い感じです。6月頃からは“黄金アジ”も狙いますので是非遊びに来てください」と臼井功一船長。楽しみな久里浜沖のアジ。是非ファミリー、ビギナーも誘って楽しんでみては如何だろう。

今回利用した釣り船

神奈川県久比里港 『巳之助丸』
〒239-0828 神奈川県横須賀市久比里1-1-4
TEL:046-841-1089
定休日:第2・4・5水曜日 釣果・施設情報 巳之助丸 ホームページ

出船データ

アジ予約乗合(電話予約の事)
出船時間:午前7時
料金:8,700円、コマセイワシミンチ 赤タン・青イソメ付き
学割あり 貸道具あり(有料)
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

山口 充
プロアングラーとしてテレビ出演、企画、撮影、雑誌執筆やカメラマンをこなしながら「旅と釣り」をテーマに日本中を釣り歩く。公益財団法人日本釣振興会神奈川県支部長・普及振興委員会。2016年JGFA・MVPアングラーズアワード受賞。伝統の和竿「横浜竿」を使い、2020年IGFAタチウオ世界記録を獲得。
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