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静岡県・御前崎港発、金洲の本ガツオが盛期突入!!

2021年08月02日公開

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関東・東海エリアも夏本番。駿河湾沖の大場所、金洲の本ガツオが本格シーズンに突入したとの情報をキャッチ。カツオと言ったら、静岡県御前崎港『茂吉丸』とばかりに急行した!

アクセス良好、御前崎港!

「茂吉丸」の停泊する御前崎港は、東名高速道路・相良牧之原ICから30分弱。そのほとんどがバイパスなので走行距離よりかなり近く感じられる。『マリンパーク御前崎』や『御前崎海鮮なぶら市場』の程近く、巡視船「ふじ」が停泊する岸壁周辺が集合場所となる。目印としてよく紹介される「ふじ」だが、稀に居ないこともあるので、初めて行く際には地図アプリやGoogleマップ等で場所をチェックしてからお出かけになることを勧めたい。船着場の目の前となる駐車スペースに車を停め、集合時間が近づくと女将の乗った軽トラックが岸壁に到着し、「茂吉丸」が着岸する。乗船準備が整うと、グループごとに船長からコールが掛かり、クジを引く。それによって釣り座が割り振られ、釣り人たちはクーラーや釣り具を積み込む。仕掛けなどのセットは釣り場に着いてからで大丈夫なので、コマセ袋を魚桶に入れて流水解凍に掛けたら、釣り竿やバッカンが倒れないよう固定するだけで出船準備は完了。午前4時、金洲へ向けて出船した。

金洲とは?

金洲と呼ばれる海域について解説しよう。御前崎から南南東へ30km強。銭洲やイナンバのような目印となるシンボルはないものの、深海から水深50mほどへ急峻に駆け上がる瀬(水中島)が存在する。この礁が漁場として優れ、収益に繋がることからいつしか「カネス」と呼ばれるようになり「金洲(きんす)」として定着した。現在は禁漁期間を設けるなど遊漁調整がなされ、マダイ、カツオ、ヒラマサ、カンパチ、モロコなどの大物を追う太公望なら誰もが知るフィールド。この好釣り場が日帰りで楽しめるとあって、四季折々の対象魚を目当てに通うファンも多い。「一番近い大場所」金洲とはそんな釣り場だ。

魚影濃く、スーパーボイル連発!
穏やかな海を、日の出や海に掛かる虹を眺めながら走ること90分程で金洲の瀬に到着。竿入れの規定時刻まで釣り座のセッティングや仕掛けの準備をする。午前6時、操舵室上部デッキで操船する船長から「ハイ、良いですよぉ!」の合図で釣り開始。やがて右舷の海面にカツオの群れが湧き上がり、ボイルが起こった。カツオは見えるが餌となる小魚が見えないところから推測するにシラスを食べているようだ。船中最初に竿を曲げたのは胴の間(中央)の金子さん。取り込まれたのは2kg程の本ガツオ。時を同じくしてミヨシ(船首)でペンシルベイトを投げていた秀平若船長にも同サイズがヒット。この後もいたる所、途切れること無くボイルは起こるのだが、思うようにはハリ掛かりに至らず、ポツリポツリと単発的に2.3kgの本ガツオが取り込まれた。

 

時合到来、好機を逃さず!

食いが落ち着き、沖上がりの1時間ほど前。釣り開始から5時間が経過し、疲れの伺われる釣り人も少なくなかったが、船長の指示ダナが25mから15mと浅くなった途端、ハリ掛かりしないまでも道糸やコマセカゴに魚が触れるほどの濃い群れに出くわした。前触れ無く手の合う釣り人から竿を曲げる突然の時合到来。しかも上がる魚は3~4kg級とワンサイズアップ。この好機に「血抜きは後だよ!」と再投入を促す船長。これまで釣果に恵まれなかった釣り人も絶好のチャンスを捕らえ、取り込み後の投入で再びハリ掛かりする連続ヒットも見受けられた。こうして船中全員のクーラーに本ガツオが入り、心地よい疲れと共に沖上がりの時間を迎えた。

船長に訊く、釣り方のコツ

金洲でのカツオ釣り、そのコツを小野田茂樹船長に訊いた。「そんなに気にするこたぁないよ、カツオは。基本通りにやってたら良い。色んな事をあれこれやらないで、餌は1匹掛けで充分だと思うんだよ。ただ、細ハリスだけはやめた方が良い。こっち(駿河湾)では30号で充分食ってくるんだ」と言う。30号2mハリスの船宿仕掛けは実に捌き易く、オマツリにも強い。イサキ釣りが8号ハリスで楽しめる金洲エリア、「郷に入っては郷に従う」姿勢を忘れずに。船長と交代で操船やタモ入れのアシストをしていた秀平若船長は、食いの落ち着く時間帯に「釣れてる時って、こうなる時間をイメージ出来ない」と手返しの大切さを強調していた。美味しく食べたい釣り人の人情は全く同感なのだが、1匹の重みが大きいカツオの場合、釣果1匹と2匹、3匹と5匹では1釣行分の差となる。この日も釣れる時合は1回15分あったら長い方。釣れる時により多くのカツオを取り込むことが、より美味しく食べる近道となることは自明の理。魚を取り込んだら先ずはコマセを一つかみ入れて餌を付け、直ぐに再投入することを心掛けたい。

【動画】茂吉丸・静岡県御前崎港「カツオ釣り」

豪快な釣り味と至福の食味を満喫!

かくして、この日の竿頭は、本ガツオ6匹の他にサバやムロアジをたくさん釣った渡辺さん。実は連日のシケ続きでカツオたちがコマセを忘れ、シラスを追っていた取材日。釣果としては谷間のタイミングとなってしまったが、その後の好天続きで再び魚がコマセに慣れ、船中半数の釣人がツ抜け(10匹以上)を達成するなど最盛期らしい釣果情報も届いた。帰着後、クーラーに氷を追加して、使った仕掛けやコマセの代金と乗船料を支払う。大切に持ち帰ったカツオを釣ったその日に味わえるのは釣り人の特権。昨今では鱗の引き落としや頭の切り落とし方、背びれの外し方もインターネットで簡単に調べられるようになった。豪快な釣り味と、旬の豊かな食味。我慢することの多い2021年の夏こそ、紺碧の海上とご自宅の食卓で釣り人の至福を満喫して頂きたい。

今回利用した釣り船

静岡県御前崎港 『茂吉丸』
〒437-1621 静岡県御前崎市御前崎4747-8
TEL:0548-63-3466
定休日:なし 釣果・施設情報 茂吉丸 ホームページ

出船データ

金洲カツオ乗合
乗船料金:1万4,000円(氷付き/コマセ別 1枚1,000円)
集合:船着場へ午前3時45分(時期により変動あり、予約時に確認を)
出船:準備が整い次第
     
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この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込むツリキチ。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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