釣りビジョン マガジン

2022年06月11日公開

栃木県・中禅寺湖でレイクトラウトを狙う!新釣法「ボトムスプーニング」に挑戦!

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レイクトラウト。我が国では、栃木県・日光の中禅寺湖にしか生息していないイワナ属の淡水魚である。カナダからに移入された最大1mを超える大型魚であり、爬虫類を思わせる風貌も相まって多くのトラウトアングラーを魅了してやまない。この魚、「釣れない魚の代名詞」と言われていたが、エキスパート達が様々なアプローチを考案、今では狙って釣れる魚となった。そして今、新釣法「ボトムスプーニング」なるものが流行っているそうだ。

“マス釣りの聖地”中禅寺湖

避暑地として知られる中禅寺湖。明治中期から昭和初期にかけて、その湖畔に諸外国大使館別荘等が数多く建てられた。その中禅寺湖に1870年代、坂本竜馬らとも交流があったイギリス・スコットランド出身の貿易商人、トーマス・グラバー氏(長崎のグラバー邸が有名)がマス類を放流。それまでウグイ(ハヤ)位しか生息していなかった中禅寺湖が“マス釣りの聖地”となった。ここに生息するレイクトラウトは1966年(昭和41年)にカナダから移入されたモノが自然繁殖(それ以後放流された記録がない)して定着した個体。適水温が7℃前後で冷水を好むレイクトラウトは、標高1,269mの高地に位置する中禅寺湖だからこそ生息・繁殖する事が出来たと思われる。

5月下旬頃になってようやく草木が芽吹く中禅寺湖
5月下旬頃になってようやく草木が芽吹く中禅寺湖
男体山の山頂は、まだ早春の気配。この日の中禅寺湖の最高気温は17℃。早朝と夕方は薄手のダウンが必要だった
男体山の山頂は、まだ早春の気配。この日の中禅寺湖の最高気温は17℃。早朝と夕方は薄手のダウンが必要だった
昼食に持ち込んだカップラーメン。“下界”の気圧の違いで容器が膨れ上がった
昼食に持ち込んだカップラーメン。“下界”の気圧の違いで容器が膨れ上がった
ビワマスとサクラマスの中間種と言われる「ホンマス」。この魚も中禅寺湖でしか釣れない稀少なトラウト
ビワマスとサクラマスの中間種と言われる「ホンマス」。この魚も中禅寺湖でしか釣れない稀少なトラウト
遊漁券を購入できる大島商店。開店時間の午前3時前には遊漁券を求める釣り人が長蛇の列となる
遊漁券を購入できる大島商店。開店時間の午前3時前には遊漁券を求める釣り人が長蛇の列となる
購入した遊漁券
購入した遊漁券

食性に訴える「ボトムスプーニング」

中禅寺湖のレイクトラウトを狙う上で外せない釣法がある。それが「スライドスプーン」。この釣りは、スプーンをボトムに着底させてから巻き上げ、スライドフォールする事でリアクションバイトを誘発するアプローチ。この湖に通うエキスパート、阿部博和さんが考案、この釣法によりレイクトラウトを狙って釣れるようになった。そして、ここ数年の阿部さんは、「スライドスプーン」と双璧をなす新釣法をテストして来たそうだ。それが今回挑戦した「ボトムスプーニング」。レイクトラウトは、ボトム付近でヨシノボリやエビなどを捕食している事が多く、その個体を狙う為のアプローチだと言う。「スライドスプーン」がリアクションバイトを誘発する釣法なら、「ボトムスプーニング」はレイクトラウトの食性に訴える釣法だ。

中禅寺湖のエキスパート、阿部博和さん。近年はサクラマスやイトウなど、本流トラウトにも力を入れている
中禅寺湖のエキスパート、阿部博和さん。近年はサクラマスやイトウなど、本流トラウトにも力を入れている
2013年に発売された阿部さんが出演する釣りビジョンDVD「スライドスプーン」。当時の最先端の釣法を紹介していた
2013年に発売された阿部さんが出演する釣りビジョンDVD「スライドスプーン」。当時の最先端の釣法を紹介していた
スライド系スプーンとボトムスプーニングで使うスプーン。※右側が「スライド系スプーン」。左側が「ボトムスプーン」
スライド系スプーンとボトムスプーニングで使うスプーン。※右側が「スライド系スプーン」。左側が「ボトムスプーン」
 

リトリーブは「デジ巻き」!

ハルゼミが鳴きはじめ、ハイシーズンに突入した5月下旬。「ボトムスプーニング」を教えて頂きに阿部さん元を訪れた。「今シーズンは餌をしっかりと食べていて、コンディションが良いからファイトが楽しいよ」と阿部さん。

期待に胸を膨らませ、阿部さんが会長を務める釣りチーム「TQM」のメンバーと一緒に遠浅なポイントが多い国道側の釣り場にエントリーした。午前4時の実釣開始時刻を待っている間、「スライドスプーンはボトムが起伏に富んだ場所とか、ある程度、場所を選ばなくても使えるけど、ボトムスプーンは、ほとんど根掛かりしない砂地のボトムとか、遠浅なポイントで威力を発揮する」と阿部さん。どうやら場所によって使い分けるのが釣果を伸ばすキモのようだ。そして、周囲が十分に明るくなった午前4時30分、いよいよ実釣開始。

ボトムスプーニングのアプローチは至って簡単。スプーンをボトムまで着底させたら、ボトムバンプさせる様にデジ巻きでリトリーブするだけ。この動きは、レイクトラウトの存在に驚いて逃げるヨシノボリやエビ類をイメージしているらしく、教えられるがままにリールのハンドルを半回転~1/3回転で巻いていると、それまで一定の動きをしていたラインが横に動く。即座にフッキングするとずっしりとした重量感がロッドに伝わった。

午前3時に遊漁券を購入、釣り場にエントリー。実釣開始は午前4時
午前3時に遊漁券を購入、釣り場にエントリー。実釣開始は午前4時
中禅寺湖では北面(男体山側)を国道側、南面を山側と言う。前者は遠浅な地形が多く、後者は急深な地形が多い。ボトムスプーニングは、根掛かりしにくい遠浅な場所で威力を発揮する
中禅寺湖では北面(男体山側)を国道側、南面を山側と言う。前者は遠浅な地形が多く、後者は急深な地形が多い。ボトムスプーニングは、根掛かりしにくい遠浅な場所で威力を発揮する
中禅寺湖では5月下旬から鳴きはじめるハルゼミ。この時期はセミパターンの釣りも面白い
中禅寺湖では5月下旬から鳴きはじめるハルゼミ。この時期はセミパターンの釣りも面白い
同行したのは、阿部さんが会長を務めるネイティブトラウトチーム「TQM」のメンバー
同行したのは、阿部さんが会長を務めるネイティブトラウトチーム「TQM」のメンバー
ボトムスプーンでキャッチした50cm級のレイクトラウト。湖底でヨシノボリなどのベイトを捕食しているのか、でっぷりとお腹が膨らんだ個体だった
ボトムスプーンでキャッチした50cm級のレイクトラウト。湖底でヨシノボリなどのベイトを捕食しているのか、でっぷりとお腹が膨らんだ個体だった

メンバー全員キャッチ‼大満足の釣果‼

大人数で釣行しているとヒットカラーやパターンをシェア出来るのが最大のメリット。この日は、目の前のポイントにベイトが溜まっていたのか、レイクトラウトの群れが回遊して来ると、数分の間、ベイトを捕食するのに夢中になっている感じで時合に突入、ショートバイトやバラシが多かったのだが、アタリが連発した。また、この日のヒットカラーはナチュラル系。メンバー全員でヒットパターンを共有し、全員がマルチキャッチ、そしてなんとか私も2匹目をキャッチする事に成功した。かつて「難攻不落の湖」と言われ、“幻の魚”と言われたレイクトラウト。釣り場のシチュエーションによって新釣法「ボトムスプーニング」と「スライドスプーン」を使い分ける事で、1日で複数のレイクトラウトをキャッチする事が可能となったのだ。この記事がアップされる頃は高水温となってしまい、終盤戦となってしまうのが残念だが、来シーズンは、是非ともチャレンジして頂きたい。

2匹目のレイクトラウトも体高があった
2匹目のレイクトラウトも体高があった
この日のヒットカラーはナチュラル系。スプーンを2枚重ねて裏地の色も抑え気味にするとアタリが多かった
この日のヒットカラーはナチュラル系。スプーンを2枚重ねて裏地の色も抑え気味にするとアタリが多かった
怒涛のヒットラッシュの口火を切った
怒涛のヒットラッシュの口火を切った
阿部さんはほとんど釣りをしていなかったが、ロッドを出すとすぐにヒット。流石の一言
阿部さんはほとんど釣りをしていなかったが、ロッドを出すとすぐにヒット。流石の一言
2022年の解禁直後、阿部さんは新釣法「ボトムスプーニング」で88cmのレイクトラウトをキャッチ。過去に釣った魚の中でも2番目の大きさだったそうだ
2022年の解禁直後、阿部さんは新釣法「ボトムスプーニング」で88cmのレイクトラウトをキャッチ。過去に釣った魚の中でも2番目の大きさだったそうだ

施設等情報

中禅寺湖漁業協同組合
〒321-1661 栃木県日光市中宮祠2482
TEL:0288-55-0271 FAX:0288-55-0787
E-mail:nnplccfa@ceres.ocn.ne.jp 中禅寺湖漁業協同組合ホームページ

施設等関連情報

2022年遊漁期間:岸釣りは4月1日から9月19日まで。船釣りは4月20日から9月19日まで。
遊漁券:2,200円。18歳以下は無料
     
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。​

この記事を書いたライター

武笠 佳司
2000年釣りビジョンに入社。入社以降、ルアー番組を中心に番組制作に携わる釣りビジョン制作部ディレクター。好きな釣りはルアーのトラウトゲームとショアジギング、サーフヒラメ、バスフィッシング。現在の担当番組は「メタルバスター」、「釣って関東」、「トラウトギャラリー」、「バスギャラリー」など。
instagram:
@fishingvision
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