右舷ミヨシの林伸さん(墨田区)がリールを巻き出した。海面を割って姿を現したのは、待望のハナダイ。船中第1号だ。「やったね」と、自然に言葉が出てしまう。元気よく暴れている。暫くして、また、林さんが重そうにリールを巻いている。ドラグが滑り中々上がって来ない。取り込んだのはウマヅラ。それもデカイ。五目釣りになって来た。私も竿を出した。クンクンと竿先が揺れた。バシッと合わせてリーリング。残念ながら“本命”では無かったが良型のウマヅラ。このサイズなら我が家では1匹で2人前のおかずになる。ベタ底を狙っていたらベラが来た。次は、海底でコマセをポロッと巻き、2m程上げて竿掛けに掛ける横着な釣りと決め込んだ。直ぐにククッと小さなアタリ。竿を立てると、グン、グンと竿先を引き込む。“本命”か?ドラグ調整していない事に気付いたが後の祭り。キュン、キュンと断続的に船底に引き込まれる。竿を立て、強い引きには竿のやり取りでかわし、海面に現れたのは船中第2号のハナダイ。30cm級を手にした。5分過ぎ、隣の関谷広吉さん(九十九里町)が小振りながらマダイを上げた。船は一気に活気付いたが、その後、竿を大きく曲げるのはウマヅラだけだった。潮温が低くても、潮の動き次第で食い出す船長は「2月に入り、急に海水温が下がり、13度台まで低くなってきました。15、16度になるとハナダイはウィリーを追って来ますが、それ以下だと空バリ仕掛けに沖アミの餌を付けた方が良い様です。片貝の仲間の船が4日(水)30mダチで、25~38cmを13~43匹。別の船は40mダチで、10~21匹釣っています。ウマヅラやホウボウが釣れる時は、魚もやる気がある証拠。潮温が低くても、潮の動き次第で一斉に喰い出します。ポイントには20年もコマセを撒いているので、ハナダイは確実に付いていますよ」と話す。片貝沖のコマセシャクリは、型が良いので釣り応えも充分。シャクリのスピードや止めの時間、更に食いダナを探すテクニックで釣果に差が出る。これから本格的な春に向って、活性が上がって来れば、益々面白くなるだろう。