「冒険感がすごく好き、家にいる時に地図をみてこの先どうなっているのかなと。等高線を見てここだったら入渓できるかなと想像するところから楽しい。行き過ぎた時は、石の間から水が出ていただけだったりと、そういうハプニングも楽しい。」そう語るのは渓亮、謹厳実直な友太郎とは異なり自由奔放なスタイルを愛する。自分の目で見て、手足を働かせて源流域へアプローチすることに魅了された者達に相応しいとも言える発言。どのような価値観を持つかは千差万別だが、これから山岳渓流へ向かおうとするアングラーたちは是非全容を聞いてほしい場面である。詳細なギア紹介まで網羅されている点からも、ひとつ1つに求める役割と意味を自分の中に落とし込み、無意味なパッキングはしないというminimalismに通じる主義を感じる。山岳渓流では生じる障壁に対する自己完結自己責任は避けることができない必須項目であるが、無頓着でいたいという甘い考えのままでは自然の中で遊ぶことはできないと再認識させてくれる。退渓時に出くわしたツキノワグマとの遭遇は他人事として捉えることなく、自分が同様の状況にいた場合にどうするのが適切だろうか考えて頂きたい。異なる価値観を持つ杉坂ブラザーズが、同じ釣りを通してどんな見解を持ち合わせているのか、アングラーたちに是非見てほしい。