この日の竿頭は大川晃さん(葛飾区)。早い時間からこの日のパターンを掴んで、コンスタントに“本命”を取り込んでいた。タイテンヤの魅力を尋ねると「『釣った』実感がある。道具が軽いし、身軽でコマセ釣りほど手が汚れないのも良いです」と穏やかながら端的な回答に、釣り師の洞察とこの釣りの奥深さを感じた。「今日は厳しかったです」と苦笑いの若船長に、マダイが食い渋ったときのコツを聞いてみた。「諦めないことです」──ナルホド、納得の答えだ。 まだまだ大物の気配アリ!この日、同じポイントで釣っていた船に6.5kgの大物が出たと聞いて「マジかぁ~」と凹んでいた若船長だが、10月10日の「日立沖真鯛釣り大会」では、見事6.15kgを釣らせて総合優勝。取材日の翌日には4.6kgを上げるなど、まだまだ大物の気配ムンムンの日立久慈港『直重丸』。産卵前の乗っ込み時期は神経質で気難しかったマダイも、秋が深まるにつれて、冬に備える荒食いのスイッチが入ったようだ。脂質を蓄え、その体色も鮮やかに揚がる晩秋のテンヤマダイ。12月1日に釣り物がヒラメへとシフトするまでの今がまさにラストスパートだ。収穫の秋、次に大物を手にするのは、あなたかも知れない。