船を流しながら水深変化の傾向や根掛かりの注意喚起をマメにアナウンスしてくれる後藤明広船長に、この釣りのコツを訊いた。まずは餌付け。「孫バリは背掛けね。腹に付けると弱りやすいから」とのこと。また、タナの取り方については「3回に1回くらい底にトーンと着く感じ」と非常に明解。ウネリの上下による船の揺れで、置き竿は常に仕掛けの上下動を吸収しているのだが、3回ウネリを吸収する内、1回はオモリが底を叩く位のタナ取りが基本とのこと。水深変化の激しい地形を釣ることの多い岩和田沖。この「3回に1回、底を叩く」タナのキープは意外と忙しい。ちょっと離れて竿を眺めると餌や仕掛けの様子が感知し易いので、船上で手詰まりになった際にはこの感覚を思い出して頂きたい。取材後日には6.3kgをキャッチ!船中オデコ無し。竿頭はこの日の船中最大魚4.1kgを頭に5匹を取り込んだ長谷川さん。ソゲも釣れない訳ではないが、概ね1.5~2kg前後の食べ頃サイズで、特に色濃いイワシの反応の中で釣れるヒラメは身が分厚く、脂の乗った“寒ビラメ”らしい個体ばかり。大満足の釣行だったが、実は釣果の谷間だった取材日。「このところ型の良いのが上がり出した」という船長の言葉通り、取材後日には6.3kgと言う文句ナシの“大判”も上がっている。ソゲ級のヒラメで“ツ抜け”るより、釣って手応えのある美味しい良型を手にしたい太公望へ、是非ともお薦めしたい船宿である。