この日、私はトモ(船尾)付近を拠点にしていたが、トモでは2組4人が楽しんでいた。1組は親子(父親と娘)、もう1組は知人同士(男性2人)。知人同士の組みは自らビギナーだと語り、今回はジギングを教えてくれた師匠ナシでのデビュー戦だという。そんな彼らもスタートからコンスタントにハマチを釣り、周りがメジロをヒットさせている中、嬉しいゲストである”ヒラメ”をゲット。最後のひと流しでは見事メジロをキャッチした。スタートから型狙いだとアタリも少なくリズムも掴みにくいと思うが、数釣りで慣らしながら入るスタイルなら、ボウズを回避しながらリズムも掴める上にスキルアップも出来るだろう。また、親子組も終盤にメジロをキャッチしていたのだが、釣ったのは娘さん(巻頭写真)。キャッチ直後の彼女の笑顔はもとより、隣で竿を出すお父さんの嬉しそうで悔しそうな表情も印象的だった。娘さんの釣り好きはお父さんの影響だが、この日の指南役は伊東さん。後半の伊東さんはタモを片手にメジロがヒットすれば所狭しと動いていた為、釣りは中断。そんな中、娘さんはヒットゾーンである底付近を永く攻める為、ジグを投げてからシャクっていた。それを見ていた伊東さんが「ジグの動きが早いからゆっくりシャクって~、それからゆっくり竿を戻して~」とアドバイス、すると直後に穂先がゴンッ!、メジロがヒットした。状況に合ったアクション指示と、的確なジグ操作が見事にマッチした瞬間に船内が湧き上がった。これからは海水温次第飽きる事なく楽しめたこの日は正午に沖上がり。帰港後、直毅船長に今後の見通しを聞くと「こればかりは水温次第。水温が下がり切らなければ、昨年同様釣れ続くだろう」との事。ジギングはハードでスポーティーなイメージがある為か敷居を高く感じてしまうが、今回のような数釣りと型狙いが出来る季節にエントリーすれば、釣れたという実績も手伝い、よりアグレッシブにジギングを楽しめるだろう。因みに後半では綺麗にフッキングしたハマチをリリースする程の釣れっぷりだった事から、伊東さんのご好意でハマチをお裾分けして頂き、久しぶりに天然ハマチを頂いた。適度な脂と予想以上の旨味は、スーパーで販売しいているブリの脂がキツく感じてきた私の胃袋も大満足。刺し身は勿論、寿司にもぴったりの旨さだった。『魚英』では取材後も好釣果が続いており、暫くは楽しめるだろう。これからジギングを楽しみたいという釣り人にも打って付けな明石海峡の“青物”ジギングは冬を感じさせないアツい釣りだ。