釣りビジョン

2016.2.1号

新修丸・神奈川県金沢八景
東京湾のカサゴ、厳寒期でも快調!

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カサゴ釣りは真冬がベストシーズンと思っている人が多いようだが、それは誤り。確かに深みを狙うオニカサゴは冬季の定番ターゲットだが、浅場に生息する標準和名・カサゴは、夏季の方が活性が高い。ところが、東京湾ではここ数年、厳寒期でも盛期並みの釣れっぷり。1月22日、神奈川県・金沢八景『新修丸』に出掛けた。

貴重なカサゴ専門乗合船

カサゴは、釣りの対象魚としていたってポピュラーな存在だが、周年カサゴ専門乗合船を出している船宿は、東京湾広しといえども恐らく『新修丸』だけだろう。午前7時30分、石田和也船長の操船で「第8新修丸」は静かに桟橋を離れた。

夕照橋の袂にある『新修丸』
こちらが入口
明るく快適な待合所

最初のポイントは幻の第3海堡周辺

夏季は東京湾奥方面の浅場へ走ることが多いが、この時期はもっぱら南下して深みを攻める。猿島を過ぎ、走水の沖辺りでエンジンがスローダウン。船首を風上に向けたところで、投入開始のブザーが船内に響いた。水深は30mほど。船長によれば、このポイントは“幻の人工島”第3海堡があった場所とのこと。関東大震災によって崩壊、暗礁と化してからは長らく東京湾屈指のA級ポイントとして知られていたが、海難事故が相次いだため8年程前に撤去された。しかし、魚礁としての役割は今も十分に果たしているようで、カサゴ釣り場としても重要なポイントの1つだという。

ポイント到着。潮が速く波も高い
オリジナル仕掛けと30号オモリ
仕掛け図

釣り方は簡単!

胴突き2本バリ仕掛けの上バリにサバ、下バリにゴリを刺して投入。オモリがトンと底に着いたらリールのハンドルをキュルキュルと2回転してタナを取る。数秒待ってアタリがなければ、竿を上下して誘いを掛ける。ただし、冬季は魚の活性が低いので、動作は静かにゆっくり行なうのがコツ。難しいことは何もなく、初めて竿を握るようなビギナーでも30分も練習すればすぐに慣れるだろう。
しかし、この日は、アタリが思いのほか遠い。潮が速い上、風波による船の上下動も相まって仕掛けが底で落ち着いていないのかも知れない。それでも辛抱して丁寧に釣り続けていると突然、竿先にギュンと強烈な手応えが走った。慎重にリーリングすると、いきなり27cmの大型カサゴが釣れた。これは上バリのサバ餌に食ってきた。

餌その1 冷凍ゴリ
餌その2 サバ
付け方が悪いと水中で回転してしまう

調子は徐々に上向き!

その後は小型が多くなったため、船長は10分程走って猿島寄りのポイントに移動した。ここも小型カサゴのアタリが多いものの、徐々に風が弱まると同時に調子も上向き、正午頃からは中型も頻繁に交じるようになってきた。特にハイペースでカサゴを上げていたのが左舷トモ(船尾)のベテラン氏。7:3調子の軟らかい竿を使うことで、餌をくわえたカサゴに違和感を与えなかったのが好結果につながったのではないだろうか。

ベテランからビギナーまで広く楽しめるのがカサゴ釣り
小型が多いものの、中・大型も交じってくる
食味のよさもカサゴの大きな魅力

この日最大の27cm!
食い込みのいい軟らかい穂先が奏効

臨機応変な対応を!

スポッと一気に餌を吸い込むような状況なら硬めの竿のほうが合わせも効くし手返しも早い。しかし、餌の端を咥えてじっとしている低活性状態では、食い込みのいい軟らかい穂先がモノをいう。竿はできれば何本か用意して、その日の条件や魚の食いで使い分けるのが理想だ。結局、14時半に納竿。トップは左舷トモのベテラン氏で32尾。前半の悪条件を考慮すればまずまずの成績といえるだろう。“ツ抜け”出来れば御の字と言われたかつてのカサゴ釣りからすると、確かにここ数年で状況は変わった。いいことばかりではないのは百も承知だが、これも暖冬がもたらす影響の1つなら、その恩恵を享受しようではないか。

石田和也船長
親方の新明正義船長
受付に座る女将さん

(釣りビジョンAPC・訓覇 啓雄)

今回利用した釣り船
神奈川県金沢八景『新修丸』
TEL:045-784-2636(定休日 毎週木曜日)
神奈川県横浜市金沢区野島町10
詳細情報(釣りビジョン)
新修丸ホームページ
出船データ
カサゴ乗合 8,700円(餌・氷1個付き)平日は8,200円
出船:午前7時30分
沖上がり:午後2時30分
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